カンボジアを旅している

一方くらげのぬいぐるみ、ぷりんはそんな持ち主に代わり、カンボジアを旅している。

ツアーは今回2回目の参加である、NPO法人ぬいぐるみ協会の「アンコールワット探検ツアー」。

人間と違いぬいぐるみはパスポートもビザもいらない。お気楽なものである。

ほんの少しの費用で、ぬいぐるみが私の行ったことのない国を旅してくれて、忙しい毎日に彩りを与えてくれる。ありがたいことだと思う。毎日毎日、わくわくする気持ちが持てるのは本当に幸せなことだ。

本当は自分がいけるにこしたことはないが、残業を終えて0時過ぎに家に帰り、ホワイトビールを飲みながらぬいぐるみに思いをはせ、こうして趣味のことをしている時間はうしろめたさもありとても気持ちがいい。働いているからこその贅沢だろう。

仕事は忙しいといっても、クリエイティブな仕事は寝食を忘れさせる。まだまだろくなものを作れないし、時間ばかりかかる。向いていないのかもしれないとも思うが、仕事をして熱中できるのは少なくとも嗜好があっている証拠だろう。日本語だってそうだ。誰にでも面白いに違いないと思っていたら、ちっとも興味を持てない人や苦痛と感じる人もいるのだから。「芸術家は誰もがなれるものではないが、デザイナーには誰でもなれる」。それを信条に、あきらめずに向かっている。

ぷりんは今頃寝ているのだろうか。